「赤ちゃんの水分補給はいつから?どんなときに必要?」「何を飲ませたらいいの?」そんなママたちの疑問について、赤ちゃんの水分補給のポイントを知っておきましょう。

- 監修 清水 俊明 先生
- 順天堂大学大学院医学研究科
小児思春期発達・病態学教授・医学博士 - 1983年順天堂大学医学部卒業。スウェーデン・イエテボリ大学リサーチフェロー、オーストラリア・アデレード大学リサーチフェロー等を経て、2007年より順天堂大学小児科教授。専門領域は小児栄養・消化器病、新生児栄養、脂質栄養など。

人間の体重に占める水分の割合は、大人が約60%であることに対し、赤ちゃんは70〜80%。一方で、汗腺の数は生まれたときに決まるので、赤ちゃんの汗腺は大人よりも密度が高いため、赤ちゃんは汗っかき。体から水分が出ていく量は、体重あたりでなんと大人の約2倍です。だから大人よりもたくさん水分が必要です。



離乳食が始まる頃までの赤ちゃんは、母乳やミルクという液体で栄養を摂っているので、基本的には水分も母乳やミルクで十分です。離乳食が始まって母乳やミルクの回数や量が減ってきた頃、お食事やおでかけのとき、お風呂あがりに水分補給をしてあげるとよいでしょう。
また、夏場など汗をたくさんかいたときは、特に注意して水分補給をしてあげましょう。大人でも「喉が渇いたな」と思ったときはかなり脱水が進んでいる状態。自分で水を飲んだり、「喉が渇いた」と言葉で話したりできない赤ちゃんには、汗のかき具合などをママがよく見てあげましょう。



普段の水分補給では、湯冷まし(一度沸かしたお湯を冷ましたもの)や麦茶がよいでしょう。夏場など、汗をたくさんかいたときは、水分と一緒にナトリウムなども放出されてしまうので、乳幼児用イオン飲料を利用するとよいでしょう。ただし、飲ませすぎると食欲が落ちることもあるので、飲ませすぎないようにしましょう。

赤ちゃんが下痢や嘔吐をしたときは、体から大量の水分が失われているので、水分補給が大切になります。水分とともにナトリウムなどの電解質を失うと脱水症状になりやすいので、下痢や嘔吐のときには医師の指導のもと、乳幼児用経口補水液を与えましょう。


- 乳幼児用経口補水液を、はじめは少量(20ml〜30ml)から、欲しがる量だけ与えてください。
- 母乳や離乳食を与えている赤ちゃんは、母乳やミルクはそのまま続けてください。離乳食はおかゆ・うどんなどを与え、おかずは控えましょう。下痢の症状が回復し始めたら、もとの離乳食に戻した方が回復は早くなります。


- 乳幼児用経口補水液をスポイトやスプーンなどで少しずつ繰り返し与えてください。嘔吐がなくなったら、乳幼児用経口補水液を1回に50ml〜100mlを目安に欲しがるだけ与えてください。

- 吐き気がある間は、食事は控えましょう。
※赤ちゃんの下痢や嘔吐に備えて、乳幼児用経口補水液は常備しておくとよいでしょう。