妊娠期特有の、体に起きる変化について、原因や対処法とともに食事のポイントを知っておきましょう。
貧血
貧血ってどんな症状?
貧血は、血液中の赤血球が減ってしまった状態。赤血球に含まれるヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割をしています。貧血になると、脳に運ばれる酸素が不足することでめまいや頭痛を引き起こすことがあります。妊婦さんがめまいを起こして転んだりすることは危険なので、貧血を予防したいものです。
妊娠するとなぜ貧血になるの?
妊娠するとおなかの赤ちゃんに栄養を届けるために、母体の血液量は増えます。しかし、赤血球はそれほど増えず、赤血球濃度が薄くなることで貧血になりやすくなるのです。さらに、母体が持つ鉄はおなかの赤ちゃんに優先的に運ばれていくため、妊婦さん自身が鉄不足の貧血になりやすくなります。
いつ頃からいつ頃まで?
妊婦さんが貧血になりやすいのは、血液全体の量が増える妊娠中期から後期にかけて多く見られるようです。
どう対処したらいい?
日本人女性はもともと鉄が不足しがちで、妊娠すると妊婦さんの3〜4割が貧血といわれるほど。鉄はたんぱく質に多く含まれるので、たんぱく質をバランスよくきちんと摂ることが大切です。
貧血の際には鉄入りのサプリを飲用することもあります。
食事で気をつけることは?
鉄が豊富な食材の代表であるレバーは、ビタミンAも多く含まれています。妊婦さんのビタミンAの過剰摂取は胎児に奇形を起こす可能性が指摘されているため、食べ過ぎに気をつけましょう。レバー以外でも肉や魚、大豆食品などたんぱく質が豊富な食材には鉄分も含まれているので、こうしたたんぱく質から摂取するとよいでしょう。また、鉄はビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高まるので、ビタミンCを多く含む野菜や果物と一緒にバランスよく食べることも大切です。
貧血のときに摂りたい栄養
鉄、ビタミンC
貧血の時期に
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監修:杉山 力一(杉山産婦人科)
平成6年、東京医大出身。
平成10年の北九州市のセントマザー産婦人科で研修の折、田中温先生の情熱に感動したのをきっかけに不妊治療の研究に没頭し、平成12年2月に杉山レディスクリニックを開院。
平成19年産婦人科総合施設 杉山産婦人科世田谷としてしてリニューアル。
平成23年に杉山産婦人科丸の内開院。
平成30年に杉山婦人科新宿院開院。